常世の国アヴァロン


―――誰かを歌った歌がある。

報いが無くとも理想の為に
走り続けた二人の英雄が居る。
誇り高き王と赤い騎士。

二人の生き方は違っても。
目指した思いは変わらない。

これは王の物語。
王が何ゆえ聖杯の奇跡に縋ったのか。
理想に生き、理想に散った
ひとりの少女の物語。@




―――体は剣で出来ている。


血潮は鉄で 心は硝子。
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度も敗走は無く、
ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。

故に、生涯に意味は無く。
その体は、きっと剣で出来ていた。