■コイムスビ-神様と一緒-
―――響4:神猪

 はいけい、あるじさま。


 わたしといっしょに生まれたお山のうりぼうたちは、すっかりしましまも抜けて、一人前のいのししになりました。
 でも、あるじさま………。人化をとくと、わたしだけまだ、しましまなのです……。
 からだも小さいままだし、これじゃあキツネやカラスにねらわれます!

 かかさまにそうだんしたら、
「あなたは神猪だから、殆ど年をとらないのですよ」
 って、ほこらしげにいうのですが、いつまでもうりぼうなのはいやなのです!!
 あるじさま、わたし、どうしたら大きくなれるのでしょーか……。

 ととさまにもそうだんしたら、
「あせる事は無い。いつまでもここで修行しておれば良い」
 とか言って、子ども扱いするのです!
 もうしかってやってください!ととさまは親バカです! ……はあ。

 あ、なんだか、ぐちばかりになってしまいました。
 かかさまに「響も話がくどいわね」って言われてへこんだので、今日はこのくらいにします……。
 あるじさま、響くどいですか?

 長月、戌の刻。
 あるじさま大好きな、響よりっ!
 けいぐ!
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