おむかえ


しとしとしと……

「あめあめふれふれかぁさんが〜」
「じゃのめでおむかいうれしいな〜」
「………ねー、さくらー」
「はい?なんでしょう」
「じゃのめってなにかなー」
「………じゃのめ………。
えーと……じゃのめ……
みしんのかいしゃさんのおなまえでしょうか?」
「……みしんなの?
……んー。でもそーすると
みしんでおむかい、ってつーじなくない?」
「あう………。
そーすると”じゃのめ”ってことばに
いみがあるってことですよね?」
「じゃのめ……じゃのめ……
じゃー、のめ!」
「なにをのむんですか?
くすくす、それこそわからないですよ?」
「ぶーー。じゃあさくらもなんか
いけんだしてよー」
「じゃのめ……うーん。
……ううーーん……」
「ぎぶあっぷ?」
「……ぎぶあっぷです」
「ぷぷぷ」
「くすくす」

しとしとしと………

「……………」「……………」

「はやくあめやまないかなー」
「……そーですね……」
「………」「………」
「……り…、さ…ら……」
「!」「!」
「何処かね?迎えに来たぞ」
「あーちゃーー!ここだよーー!」
「あーちゃーさぁん!」
「む?」

タタタタ……タッ。

「……と。濡れなかったかね?」
「ね、ねーねー、あーちゃー!
じゃのめってなーにっ?」
「……なんだなんだ?藪から棒に」


家政夫と一緒編。
かあさんじゃないけど迎えに来る人を待って。