雨の日


コンコン

「……ふぇ?
あ、ねーさん。どーしたんですか?
まどですよ、ここ」
「さくら、しーーーっ!
………あーちゃーいないよね?
よいしょ」
「……わ、ねーさんどろんこです!
もー、ちょっとまっててください!たおるもってきますから!」
「あ、さくらっ!
……あうー……
はやくおふろばいっておせんたくしなきゃ……」

ガチャッ

「桜、夕飯の支度を……」
「あ」
「む?」
「わ、こ、これはちがうのっ!
おやまであそんでたらとつぜんあめふってきちゃって、
いそいでかえろうとしたら
おちばふんでころんじゃって!
お、おようふく……
けっしてよごそうとおもってよごしたわけじゃなくて……っ!」
「……フム。
なんだ、ずぶ濡れではないか。
そら、風呂を沸かしてやるからさっさと入って泥を落として来い」
「………ふえ?」

ガチャッ!

「ねーさんたおるもってきましたよっ!
あ、アーチャーさん」
「桜、風呂を沸かしてくるから凛の体を
拭いてやっていてくれ」
「はぁい」
「あ……ね、ねぇ!」
「……ん?なんだ?」
「あの……おこんないの?」
「……………?
なんだ?怒られるような粗相をしたのかね?」
「だ、だって……おようふくよごしちゃったし……」
「……ククッ。
先程君自身が言っていた事は嘘なのかね?」
「う、うそじゃないけど……。
こんなにどろんこになっちゃったら
しろいぶらうす、きれいにするのたいへんだよ?」
「大事な服だと言うのなら
きっちり元に戻して見せよう」
「あ、あう……そーじゃなくてぇ」
「くすくす……。
ほら、ねーさんかぜひいちゃいますから
おふろわかしてきてもらいましょ?」
「あ、うん………
あ、あのあーちゃー」
「ん?」
「ごめんね、おようふくよごしちゃって」
「………クッ。
だから君は何も悪くないだろうに」
「うー……なんとなくあやまりたかったのっ!」
「くすくす」


家政夫と一緒編。
梅雨時ですね。