雛祭り


「む?なにをしているのかね?」
「ひなまつりのかざりつけですよえへへ。
かわいいでしょう?」
「おんなのこだけのイベントだもんね。
まぁあーちゃーがしらなくてもしかたないよね。ふふん」
「フム。しかし雛祭りの大本は別段女の子だけに
限定されたイベントでも無い筈なのだがな」
「へ?そーなの?」
「ああ。言ってしまえば(人形を指差し)こいつもサクリファイスという奴だ。
人形に穢れや厄を引き受けさせ川に流すという行為がその原初だ。
流し雛とも言うな。
我が子が元気でいられますように。
病気も無く壮健でいられますように。
そういう願いが雛祭りの起源ともいえるな」
「あうう・・・おにんぎょうさんわたしたちのために
かわにながされちゃうんですか?」
「今はこの雛人形と言う奴は嫁入り道具だからな。
我が子の健康と、道中の安全を願う親が子に持たせて送り出す。
道中のあらゆる厄災から子を守ってくれますように、という
離れていても子を案じる親の情愛の形とも言えるものだ。
君たちが結婚するまで流す必要は無い。」
「てるてるぼうずのときといい・・・いろんなひとのおもいをうけて・・・
たいへんだね、おにんぎょうさんも」
「・・・フッ。そう思うのなら大切にしてやれ。
そいつらは君たちの事を守ってくれるはずだからな」
「うんっ!」「はいっ!」


家政夫と一緒編。
人形も人形で大変。