経験と愛情

「あ、あーちゃーさん!
こ、これたべてみてくださいっ!」
「うん?いーにおいだね」
「・・・?これは・・・クッキーか?
最近台所でなにかをしているなとは思ったが・・・。
フム。ひとつ戴こうか」
「どきどき」
「フム。50点だな」
「がーーーーん・・・あうう・・・」
「ちょっとあーちゃーひどいよっ!」
「(手で制して)桜よ。これを作ったのは何回目だ?」
「うう・・・失敗含めると4回目です」
「上出来だ。以降精進せよ」
「・・・え?は、はい・・」
「???」
「フン・・・。料理は経験でありそして愛情ということだ。
これは経験不足を差し引いても良く考えられたものだったぞ。
誰に上げるものかは知らんが
これをもらえる人間はさぞ
桜に思われているのだろうな」
「へ〜〜〜・・・って・・・あの・・・さくらこれ・・・
(小声で)あーちゃーにさいてんしてもらうために
もってきたんじゃないよね・・・?」
「あうう・・・はい・・・」
「? 何だ?」
「はーーーーー・・・。
あーちゃーふうにいえば・・・
あーちゃーはけいけんぶそくってこと」
「む?何だというのだ?
どういうことか説明を求む」
「あうーー」
「ふだんはめちゃくちゃよくきがつくのに・・・
なんだかなー・・・
さくら、せつめいする?」
「いいです・・・グスン・・100てんめざします・・・」