生き方

「あめがずっとつづいてさむいですねー・・・」
「うん・・・てるてるぼーずつくろっか」
「フム。てるてる坊主の意味を知っているかね?」
「えっ?なんで?・・・しらないよ」
(どこからかてるてる坊主を取り出す)
「わっ!てるてるぼうずです!」
「これの形状を見て一番に連想できる
物は何かね?」
「え・・・うーん・・・ひと・・ににてるよね」
「ああ。そのとおりだ。
雨乞いや天候操作はシャーマニズム、つまり呪術の一種でな。
呪術という魔術系統はサクリファイス(犠牲)をもって
現象を引き起こす魔術だ。
古来、雨を呼んだり洪水を鎮めるときに・・・
その魔術を行う代償として支払ったものは
何だと思うかね?」
「あ・・・ひとばしら・・・ですか・・・」
「ああ。おそらくこのてるてる坊主も人型を模した
民間LVの魔術、つまり願いだな。を、かなえる為の
サクリファイスなのだろう」
「あう・・・私たちの願いで・・・この子が犠牲になるんですか・・・」
「うーーー・・・さむいの・・がまんするっ!
ねぇ、あーちゃー。そのこ、どうするの?」
「ん・・?まあ作ってしまったものはどうにもならんが。
もとよりこいつはその為に生まれたものだしな」
「わたしのへやにかざっていい?
リボンとかつけてかわいくするの!」
「えへへ・・・いいですねっ」
「・・・・・・。
フ・・・。新しい、生き方か。
よかったな、兄弟。」