人の生きる世界

オリンピック鑑賞中(夜遅いのでビデオで)

「フム………。ゴールドラッシュという奴か。
この世ならぬ身でも母国の勇士が活躍するのは嬉しいものだ」
「こんなのあーちゃーがでれば
ぜんぶいちいになっちゃうんだからっ!」
「かつことがすべてじゃないとおもいますけど………
ゆみだったらあーちゃーさんきっときんとれますよ!」
「………く。まあ私の身体能力はサーヴァントのものだからな。
だが人の理を越えた存在が人の世の事柄に関わるべきではない」
「………あーちゃーって………さびしくないの?」
「? 何故だ?」
「だって、そののうりょくだってがんばってがんばって
ひとよりたくさんがんばって、てにいれたんでしょ?
なんにもしないではじめからそんなにすごいわけないもん。
あーちゃーおりんぴっくにだってでられたはずだよ?
みんなにいっぱいほめてもらえたはずなのに・・・」
「………。
私の目指した場所は、ブラウン管の向こうに広がる世界ではなかった。
目指すべき理想があり、私は私の道を走り、そしてたどり着いたのだ。
………私は、満足だよ」
「でも………ときどきあーちゃーさん
とってもさびしそうな、まぶしそうな
かおでわたしたちをみます………。
さっきてれびのなかのひとたちをみていたときみたいに」
「………!
子供という奴は………フン」
「きゃっ………」「あっ………」
「ふ、寂しくなどないさ。
こんなに優しいレディたちに見守られているのだからな」
「うん………」「はい………」
(やれやれ………子供の洞察力とは侮れないものだな)