誘い―イザナイ―


「聖杯戦争・・・ですか」
「ええ。冬木の聖杯を巡る戦いは五度目となります。
これは少し特殊でしてね。
詳しくは資料を参考に。」
「(見るのを少しためらって・・・資料を取る)
・・・やれやれ・・・。
私に拒否権は無いのですか」
「むしろ拒否する理由を探すのが難しいと思いますが。
君も魔術師、ならね。」
「願いをかなえる万能の窯・・・。
たしかに魔術師としては例えようも無い
魅力的なモノですが・・・。
協会の出向者である以上
これはクライアントであるあなた方のモノになる」
「ご明察。
そしてそれに反することで生まれるリスクも
君ならば理解できますねマクレミッツ?
だからこそ君にこの案件を任せたいと
エルダーはお考えです」
「手のひらの上ですか・・・。
いまさら文句もありませんがね。
・・・フム・・・。
・・・!?・・・英霊の召還・・?」
「ええ。そして君が使役することになるであろう
サーヴァントは君も良く知る
”彼”です」
「・・・ケルトの大英雄・・・クー・フーリン・・・!
なんと・・・。
フフフ。確かに・・・。これは魅力的な仕事だ」
「確か君の祖国の英雄でしたねぇ・・・。
ルーンを専攻したのも彼への憧れ、だとか」
「・・・(少し顔を赤くする)」
「・・・失礼。少々意地が悪かったですね。
召還や現地施設の利用に関する
協会からのバックアップは惜しみません。
無論聖杯を持ち帰った場合の報酬も破格です。
さて・・・。
聞きましょう。引き受けてくれますか?
マクレミッツ?」
「最初から拒否権は無かったように思いますが・・・。
喜んで。
冬木の聖杯・・・
必ずや持ち帰りましょう」
(そして・・・監督役についている
キレイ・コトミネ・・・。
あの男も聖杯戦争に絡んでいる・・・。
面白いではないか)