終点

この体はもうここから一歩だって
動けやしないだろう・・・。
だが、私の理想はあの笑顔に一歩だって
近づけていないではないか。
だから・・・チカラが欲しい。
動くカラダが欲しい。
この理想をかなえるそのチカラを
私に与えてくれ・・・!


死に最も近い場所まで崩壊し、彼は見る。
大きな力のありかを。
この世の果てを。
彼の心は歩み始めた頃と何も変わっていない。
だからここで終われない。
ゆえに彼は手を伸ばした。
自分はあの笑顔の場所。みんなが待つ理想の果てに
たどり着いていないから。

彼の、衛宮士郎の旅はここで終わる。
なぜならもう二度とその笑顔の場所に
たどり着くことは無くなったから。

そして始まる。
永遠の孤独を共にして
一人の反英雄の物語が。