■除夜


「夜も更けてきましたねー………雪もしんしんと積もってきました」
「とても静かな夜ですね………」
「なんだか心穏やかな気分です」
「ふふ、年明けを迎えるにはこの上ない心持ですね」


 ゴーン………


「あわ?」
「あら………もうそのような時刻」
「何の音でしょう?」
「下界の寺社が除夜の鐘を突いているのです」
「とても澄んだ、力強い音ですね………」
「響のくいしんぼうも払ってくれるかしら?」
「か、かかさま!?」
「ふふ、何でもありません。
 さぁて、気を引き締めなさい、響」
「は、はいっ! なんでしょーか!」
「除夜の鐘は、新しい年を知らせるものでもあるのですか
ら」
「あっ………では年が明けたのですね! 新年ですね!
年神さまもいらしたのですね!」
「ふふ、年神様は少し前からいらしていたようですが。
 さあ、響。一番に伝えねばならないお方に、新年のご挨拶をしましょうか」



「あ………………はいっ!」









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