●お年玉


「はあー………年神様はお餅を食べないのですよね?」
「なんですか響、涎がたれていますよ?」
「あわわ………。
 で、ですが、そうなるとお餅が勿体無いです。腐るに任せるのは勿体無いです!」
「ふふ、そうですね。
 お正月を迎え、年神様がお帰りになられたら食べましょうか」
「えっ! た、食べても良いのですか!?」
「響の言うとおり、食べ物を粗末にしてはいけませんからね。お下げ物として戴くお餅は、年神様の御魂が込められ
ているのですから、厳粛な気持ちで戴くのですよ?」
「お餅、お餅っ!」
「もう、聞いているのですか?」
「はい、それはもう!」
「………ふう。悪い人に餌付けでもされないか、心配です………」
「うふふー、楽しみです………!」








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